このキラキラと輝く背筋の伸びた女性が、起立性調節障害(OD)の元患者だったとはすぐには信じられません。
和田真優実さん、大阪府出身の大学生。
2019 Best of Miss Osaka~ミス・ユニバース&ミスグランドへ ファイナリストの1人であり、英語ディベート(弁論)、社交ダンス、そして通信教育事業の起業と活動的な毎日を送っておられます。
この彼女がほんの数年前、中学校の3年間は重度の起立性調節障害(OD)の為、起き上がることもままならず完全不登校で、毎日登下校時のにぎやかな声をベッドで聞きながら泣いてばかりいた、というのです。
ここまで華々しくなくても、いつかわが子にも笑顔の日が来るのかも・・・そう希望を持たずにはいられない思いにさせてくれた和田さんの存在を知り、彼女のことを紹介する許可をご本人に頂きました。

(写真はすべて和田さんのインスタグラムより)
「起立性調節障害(OD)の子は、まゆごもりをしているんだよ」
「動かない身体と脳とにエネルギーを蓄えている」
「動き出したらスゴいから」
自律神経系の病気、起立性調節障害(OD)の子はまじめで几帳面な性格なことが多いと言われていて、治療の過程やカウンセリングの場では、上のような言葉をよく聞きます。
動けない間に子ども達は将来への不安を、多分登校している子達よりも深刻に感じ、進路や自分にできることについて考えをめぐらしています。
確かに、患者OB・OGの治癒後の生活を聞くと、”信じた道をまっしぐら!”という話が少なくありません。
もちろん病気はすぐに治るものではないので、体調と相談しながらのチャレンジなのですが、その目の輝きは強く、親にも止められない勢いがあると聞きます。
誰かの役に立てる自分=自己肯定感
朝起きられないだけでなく、昼間でも身体が思うように動かないODっ子はたくさんいます。
同級生は部活動、文化祭、修学旅行、制服、テスト、授業、恋愛の悩み・・・と「青春している」間に、自分は世間から隔絶されている。
それどころか寝てばかりで家族や世の中の何の役にも立っていない、と自己肯定感は相当低くくなります。
そんな時和田さんは「ヘアドネーション」を知ります。
髪の毛を寄付すると、病気などでウィッグが必要な子ども達の役に立てる。
寝ていても髪の毛は伸びるからと、中学2年生で初めてヘアドネーションをして、少しずつ自分のことを認められるようになったと言います。
これまでに4回髪を寄付しています。
楽しいことは大学生になるまで封印
動くことも勉強することもできなかったけれど、和田さんは海外ドラマを観ることが好きで、やがて通信制高校へ行って英語を学べる大学へ進学する、という目標を持ちました。
具体的な進路を考え始めたのは、ひいおばあさんが亡くなった時。
両親もいつまでも元気ではいないと悟ったのがきっかけだったということです。
通信高校時代は、全日制に通っている女子高校生が送るJKライフ…例えば部活動やアルバイトなど楽しいことは大学生になってからにすると割り切り、大学受験に目標を絞って勉強しました。
寝たきりから車イスの生活、リハビリ、年下に囲まれての受験勉強…辛い経験が心の支えであり強みとなり無事現役合格しました。
今では自分の経験や存在が少しでも誰かの役に立つことに幸せを感じ、どうすればよりハッピーになれるのかを考えて行動し続けているということです。
どんな境遇でも再挑戦できる教育環境を整え提供したい
和田さんがミスの活動中に宣言した夢は、学ぶ機会を失った人の教育環境を整えていくこと。
教育の多様性を訴え、たとえ学校へ行けなくても自立できる社会を作りたい・・・自分が病床で苦しみ、悩み、そして受験のハードルを乗り越えた今、さまざまな活動を通して、どんな人でも希望を持って生きていける環境作りを目指しています。
今の日本には、学校以外に子どもの居場所があまりありません。
適応教室やフリースペースなどでも、いずれは学校へ戻すことが目標となっていたり、学校へ通えない起立性調節障害(OD)っ子をはじめとする病児などの学習機会も限られていたりします。
インターネットを使った通信制の高校や大学も増えつつありますが、親の世代や社会全体がその存在をよく認知しているとは言えません。
進路の選択肢のひとつとしてもっとその価値が高まることが待たれます。
和田さんからのSNS上のメッセージの中に、「もし今、学校へ行けてなくても大丈夫だよ」というのがあります。
さまざまな状況にある子ども達が、もっと広く柔軟な懐(ふところ)で学び、楽しみ、時には進路変更・方向転換することも許される教育環境の充実が望まれています。
和田さんのように「大丈夫」になった若い力にこそできる新しい道作りを期待します。
和田真優実さんのインスタグラムはこちら
和田真優実さんのFacebookはこちら
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