病院では初めてきく単語や医療用語も沢山あって、色々と大変ですよね。
ドクターに丁寧に説明してもらっても、色々なことで頭がいっぱいで、後からわからなくなってしまうこともあるかもしれません。
そんな際に少しでも役立ててもらえるよう、医療用語を紹介していきます。
今回は「ステロイドパルス療法」についてです。
なお副作用は個人差がありますので、詳細については主治医の先生にご確認くださいね。
そもそもステロイドってなあに?
ステロイドとは、化学が苦手な人にはちょっと難しいのですが
ステロイド核(C17H28)をもつ化合物の総称 (日本大百科全書より)
です。
総称というだけあって、さまざまなものがステロイドに含まれ、胆汁酸や性ホルモンなど多くのものがそれにあたります。
そしてそのなかの一つが、左右の腎臓の上あたりにある副腎という内分泌器官から作られる「副腎皮質ホルモン」と言うホルモンです。
ちなみにこちらは余談ですが、副腎の外側にあたる皮質から副腎皮質ホルモンがでますが、副腎の内側にあたる髄質からは、皆さんも良くきく「アドレナリン」が分泌されています。
ステロイドを治療薬として使うと、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、様々な病気の治療に使われています。
パルス療法ってなあに?
OMUSUBIの、看護師もしているスタッフは、現場ではパルスという言葉には「衝撃」と言う意味があると教えられたそうです。
パルス療法→薬を服用する期間と服用しない期間を周期的に繰り返す治療法
ステロイドパルス療法→ステロイド剤を短期間に集中的に大量に投与する方法(デジタル大辞泉より)
病気の勢いが強いとき、炎症を早急に抑える必要があるときは、パルス療法が有効と言われています。
適応になる病気は?
腎臓病や全身エリテマトーデス(SLE)、急性散在性脳脊髄炎など、さまざまな病気に使われています。
副作用は?
・易感染性
体の抵抗力(免疫力)が低下するために、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
日頃から、手洗い・うがい・人混みに出るときはマスクをするなどの注意が必要です。
・ムーンフェイス(脂質代謝異常)
空腹感が出て食べ過ぎてしまい、脂肪の代謝異常が起こります。
「顔だけ太る」というイメージです。
食事などカロリーの取りすぎには注意です。
・むくみ(浮腫)
体の中に塩分が溜まりやすくなってしまうことで起こります。
その他さまざまな副作用がありますが、個人差があります。
OMUSUBIスタッフ関係者の体験談
看護をしていて、患者さんの身体に1番多く現れていた副作用の症状としては、上記のムーンフェイスが多いかなと感じます。
顔だけがパンパンに腫れ、女性であれば、自分の顔を鏡で見ることに抵抗を感じられるようです。
個人差はありますが、ステロイドの量を減らすと、少しずつ改善されていくようです。
★
友人の娘さんが小学6年生の時に、全身エリテマトーデス(SLE)を発症し、中学2年生まで「ステロイドパルス療法」を行いました。
やはり身体症状として1番顕著に現れたのは、ムーンフェイスでした。
彼女の場合、治療を開始して症状が出始めるのは、投与2〜3週間してからでした。
年頃になるにつれ、副作用が現れた時の自分のボディイメージがわかるので、とても辛かったそうです。
また、友人が娘さんの治療中に1番心を痛めたのは「皮膚線状」だったようです。
要は、「皮膚割れ」や「妊娠線」のような感じです。
「皮膚線状」は、バイオイルと言う市販のものを対処法として使っていましたが、妊娠線などと同様に、皮膚線状は一度できると治らないため、効果のほどは不明です。
治療開始前から、マタニティ用のオイルを塗れば少しはマシだったかな…と思っているので、効果はわかりませんが、もしこれから治療される方は検討されてみても良いかもしれません。
★
副作用としてムーンフェイスがありました。
退院当時は少しはマシになっていたものの、それまでの娘とは違いました。
しかし、それがステロイドのせいなのか、本当に太っていたのかは判りません。
というのも、もうひとつの副作用の空腹感が凄くて、容態が落ち着いて普通食を食べられるようになってから、本来の娘なら完食が無理な量の病院のご飯を必ず完食!!その上、まだまだ足りずにお腹が空くのです…
副作用なのは判っているので先生も食べる事は制限しませんでしたし、病院の食事はもちろん完食して問題ないのですが、お腹の空くままに間食をしているとどんどん体重が増加。
歩けるようになった時のリハビリでの足への負担が大きくなるのでカロリーゼロの食べ物を探して空腹を満たしていました。
(ゼリーしか見つかりませんでした…)
それでも、身体はほとんど動かせませんし、もちろん病院内なので運動量は少ないので、単にむくんでいたのか?太っていたのか?いったいいつから戻ったのか?ハッキリとは判りませんが、今は元に戻っています。
★★
上記はあくまでその方の体験談であり、個人差はありますが、他の人はこういう時どうしてたかな?という参考程度にしてもらえればと思います。
参考文献
・ステロイド療法の極意 / 株式会社じほう
・腎・泌尿器疾患 / 学研メディカル秀潤社
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