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親の目線で~起立性調節障害(OD)の手記【本の紹介】

朝起きられない子の意外な病気

わが子が起立性調節障害(OD)にかかった母親ライターの手記

今、中高生の約10%が罹っているとも言われる起立性調節障害(OD=Orthostatic Dysregulation)について、医師が書いた書籍はたくさんありますが、親目線の本はあまり見かけません。

この朝起きられない子の意外な病気 「起立性調節障害」患者家族の体験からという本は、フリーライターの武香織さんが、わが子の病気に直面し、子どもと、医師と、教師と、周りの人たちとどういう会話をし、どういう対応をし、かかわってきたかを記した手記(+他の関連情報)です。

快復への近道は、親の理解

武さん母子の場合、病気の発見がスムーズでその後も、香織さん自身には反省もあるとはいえ、比較的よい方向へと流れる対応だったと思われます。

周りの人にも理解を求め、幸運にも理不尽な扱いを受けていません。

それでも母子で悩み、苦しみ、考え抜いて決断を重ね、時には方向転換をして乗り越えていかれました。

その日々の考えの根底にあるのは、子どもの心身の辛さをきちんと理解して、焦らず温かく見守って行こうとする姿勢です。

 

起立性調節障害(OD)は自律神経の調節がうまくいかない病気で、脳の血流が不充分で朝はしんどいけど夜には元気になる(ように見える)ので、周囲の人には怠けていると映りがちです。

しかし、いちばん長い時間一緒にいる特に母親には、やはり普通ではない、と感じられる瞬間はあります。

その母親・家族が寄り添うことが、子どもの不安やストレスを軽くし、病気の快復を助ける最短の近道だというのです。

第4章には、他の家庭の体験談も掲載されています。

信頼できる医師に出会うまで時間がかかってしまったケース、父親がなかなか病気を理解できなかったケース、きょうだいで発症したケースなど、それぞれの悩み、苦労、紆余曲折が書かれています。

子ども自身が決めることが大切

わが家の中学3年生も、3年前から起立性調節障害(OD)の闘病中ですが、私がこの本を読んで感じたのは、何についても子ども自身が決めることが大切なんだなということです。

実際、本人が決めたことはほぼ実行されます。

起きられるか緊張しながら寝るのでうたた寝程度しかできなくても、うなりながら身支度をして出かけます。

時にはどうしても起き上がれず叶わないこともありますが、自分がしたいことへの意欲はすごいパワーを産むんだなと思って見ています。

進路も同じ、いえ、進路こそ、そうなのでしょう。

親は子どもの将来を考えてよかれと(時には自分の見栄や世間体の為に)道を示しがちですが、特に気力・体力が落ちている子どもは、周りが望むからそうしよう、と思ったことに対しては、身体が動かず力尽きたりします。

武さんは、息子・大耀さんが最初に決めた全日制高校への通学は物理的・体力的に無理だろうと思ったものの、本人が「やってみないとわからない」と言い張るので進学させました。

結局、無理がたたり、出席日数が足りず通信制に編入することになるのですが、納得しての結果なので大耀さんはその後も意欲的にさまざまなことに挑戦していっています。

ヒントをくれる子どもたちの「本音座談会」

起立性調節障害(OD)は、ホルモンバランスが崩れやすい思春期の子どもがかかる傾向のある病気です。

本音を聞きだすのがいちばん難しい時期なので、本人の身体の辛さや日々の思いなどをなかなか知ることができません。

それゆえ、対応に困ることも多々あります。

大耀さんを含む、起立性調節障害を持つ子ども達(17~18歳)4名による「本音座談会」のページでは、通っていた学校で感じた違和感、朝起きられなくなった時の状況・気持ち、将来への不安、眠れない夜の思考回路、大人のどんな言葉が嫌だったか、どんな態度が嬉しかったかなど生の声が満載です。

不登校児が全国で過去最多の14万人を超え、その中には起立性調節障害と気付いてもらっていない子も多く含まれているのではないかと言われています。

自律神経の病気に苦しむ大人も増えています。

この本は、起立性調節障害の子を持つ親や祖父母、教育関係者だけでなく、小児科医のみなさん、思春期の子とその親、そして不登校に悩む子・親、行政関係者や社会全体のみなさんにもぜひ目を通してもらいたい、現代社会に生きる親と子の闘病体験記です。

 

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