電車のつり革広告で見つけた。
「実証実験」だって。2018年8月中。
JR大阪駅施設内で、サポートの必要な人と、サポートできる人とをマッチングさせるツールとして、SNSのLINEを使用する。
自家用車に、乗せたい人と乗りたい人とを結びつけるようなサービスが海外にあったっけな。
私は手を貸す方。ベビーカー利用者、車いす利用者、国内外の観光客などの補助をする。
興味深くて、さっそく登録してみた。
手伝いたいけど、断られたら・・・
子どもが育って身軽になった今、駅などで困っていそうな人を見かけると、おせっかいおばさんの血が騒ぐ。
駅構内の階段を、ベビーカーと大きな荷物を担いで降りようとしている若いママには、声をかけたりする。
でも、断られたこともある。
うんうん、断るのもわかる。
だって、いろんな事件が起きてるもんね。
なのでもっぱら、電車の扉のところで先に降ろしてあげたり、エレベーターで乗り合わせた車いすの方に、最後まで「開」ボタンを押しておいてあげたり、そんなことしかできない。
途方に暮れた、1歳児と特大スーツケースと私
18年前、忘れもしない。
夫の駐在で住んでいたアメリカからの一時帰国で日本に降り立った時、1歳半の娘を抱き、特大スーツケースを転がす私は、下りエスカレーターの前で動けなくなった。
「両方を持って乗るのはムリ」
立ち止まる私の横を、一緒にジャンボ機で帰国してきた日本人が次々とすり抜けていく。
どうしたらいいだろう。方法を考える。
誰もいなくなったら娘をここへ置いてとりあえず荷物だけ下へ持って降り、娘を迎えに来るか、あるいはその逆か・・・
途方に暮れていたところ、最後の最後の人、スーツ姿の男性が「手伝いましょうか」と静かに声をかけてくれた。
多分、海外生活を知るビジネスマン。
今で言う、「神」
なりふり構ってられない!
実はその直前にも、私は奮闘していた。
コンベアーで出てくるスーツケースを載せるカートは確保したのだが、人が多すぎてコンベアーに近づけない。
娘を抱えてスーツケースは降ろせないが、カートに座らせて離れる訳にもいかない。
そうこうしていると、私のスーツケースが出てきた。
今これを見送ると、次回出てくるまで相当待たなくてはならない。幼子を抱えてそれは御免こうむりたい。
この際、カッコ悪いとか言ってられない。
なりふり構わず、貴重品と、寝不足で不機嫌な裸足の娘を抱え、コンベアーに近寄り、そばの見知らぬオジサンに言った。
「あれ! あのスーツケースを取ってください!」
「ついでに、あのベビーカーも!」
有無を言わせぬ私の口調といで立ちにオジサンは、幸い黙って取ってくれた。
アメリカでは、ずいぶん離れた場所でドアを開けて待っていてくれたりと、みんな積極的に親子をサポートしてくれるので忘れていたが、そういえば渡米前はこうだったな・・・と思い出した。
心と心の橋渡し
でも、頼めば助けてくれる人もいる。
助ける気持ちがある人もきっとたくさんいる。
今の私が、申し出るのを躊躇(ちゅうちょ)しているように。
よく知る場所で、よく知っている状況で、支えたい心を生かしたい。
時代のツールを使って、助けが欲しい人と、助けることができる人を無言で結びつけるこのサービスが、うまくいくといいなと思う。
そして、JR大阪駅ではスマホのボリュームを大きく設定してみる私(笑)
#スマホで手助け
https://dnp-andhand.jp/
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